2008年5月30日金曜日

携帯、子供を守る方法 親が決めるしかない

子供に携帯やPHSを持たせている家庭は多いと思うが、このところ携帯・PHSからの出会い系サイト接続を規制する動きが加速している。

 警察庁の調べによれば、昨年の出会い系サイト関連の犯罪被害者は1297人で、うち未成年者は1100人に上る。この内訳は、児童買春と児童ポルノが760件、強姦43件、強制わいせつ15件、強盗21件などとなっている。このような状況は、ここ5年ほど変わらず、毎年、数件の殺人まで起きている。

 統計を見ると、きわだつ特徴が2つある。まず、出会い系サイトの未成年の犯罪被害者のほぼ100%が女子であること。また、ほとんどの被害者が携帯・PHSを使って出会い系サイトに接続していること。

 一向に減らない出会い系サイト犯罪に業を煮やした総務省は、携帯・PHSの4社に防止策を講ずるよう求め、各社は今年1月から2月にかけて一斉に、未成年の新規加入者にフィルタリング・サービスを始めた。

 「フィルタリング」は文字どおり、携帯・PHSがインターネットに接続するときにフィルターをかけて、有害サイトにつながらないようにするものだ。もちろん、出会い系サイトは有害サイトの筆頭である。

 既加入の未成年者にも今夏までにフィルタリング・サービスを導入するはずだったが、ここに来て「待った」がかかった。いわゆるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)をはじめとする「健全」なサービスも、出会い系サイトと十把一からげにされ、フィルターで除外されてしまうことがわかり、コンテンツ産業からの猛反発をくらったのである。
極論すれば、未成年者の安全を最優先するのであれば、そもそも携帯・PHSでインターネットに接続したりメールをしたりできなくすればよい。だが、そういった「検閲」が行き過ぎると、日本の「表現の自由」は失われる。政府が過度の情報統制をすることは憲法で禁止されている。

 フィルタリング・サービスには、大きく分けて、ホワイトリスト方式とブラックリスト方式がある。前者は、携帯・PHS業者が「優良」と認定したサイトだけをホワイトリストに載せて、接続できるようにするもので、後者は逆に「有害」とされるジャンルをブラックリストに載せて、接続を禁止する。ホワイトリスト方式は安全性が高いが、ほとんどのサイトにつながらなくなってしまう。ブラックリスト方式は、一般サイトにもつながるが、安全性が低くなる。

 携帯・PHS各社は、未成年者の契約時に親がどちらの方式でも選べるよう配慮している。しかし、たとえば、私のブログ(日記)など「毒舌放言御免!」と銘打っているため、有害サイトに分類されてしまうのだ。私の日記が出会い系サイトと同じレベルの有害さをもっているとは心外だが、ここには、安全と表現の自由のジレンマがある。

 未成年者に携帯・PHSを持たせる場合、小学生のうちはホワイトリスト方式、高校生になったらブラックリスト方式という手もあるが、最終的には、親が自らの信念に従って決めるしかない。これは、案外と難しい選択である。